紹介にあたって |
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日本には1000年を超えて立ち続ける五重塔が 3塔ある。 地震の多い日本に、台風や火災による消失はあっても、地震倒壊の記録はない。 |
構造金物を全く使用しない五重塔がなぜ地震に強いのか、 それを裏付ける二つの特殊な構造がある。 「積み木」と「閂」(かんぬき) |
五重塔は、中心に「心柱」という柱だけの独立した構造体がある。 そして一層ごとに短い柱と梁によって組み立てられた積み木状の |
構造物が心柱を取り囲み、守る。 この二つは、強固な構造的つながりがあるわけでなく、それぞれ独立する。 |
ところが、いったん地震が発生したとき、この二つの構造が協力し地震に抵抗する。 積み木構造の特徴は、太く短い柱が横方向の力を |
縦方向の力に転換させ、上階を持ち上げる力は地震に対し制震の役割を担う。 しかし、限界を超えると横倒れしてしまう。 これを防ぐのが |
心柱で、横変位を制御するとともにエネルギーを吸収する。 免震、制震という現代建築にも取り入れられる技術が、すでに備わっていた。 |
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