<V7.*−R3.11:>          goto myhomepage ksekisan
概算手法
  『概算』は、目的や状況に応じて、つど最適な手法を選択する必要があります。
  ここで紹介する「概算エクセル」は、 企画段階の大概算から、基本計画〜実施設計直前までの中概算・簡略試算・精概算 にも対応、 
  情報量を増やしながら、徐々に精度向上させることを目指しました。
特長
1.数量算出を先行し、 金額設定の段階で、その数量を各仕上に割振る方法。 ⇒ 変更の容易性、 仕上設定の過程を明記
2.まず最初に、床面積や建物用途、構造等による大概算設定をします。  実績数(データ蓄積)にもよりますが、この段階だけでもかなりの精度が可能。
3.内部各面積はゾーン区分単位で数量集計。  床面積とその寸法利用による壁長算出、 または各室タテヨコ倍数による簡易壁長算出。
4.分類の煩わしい壁仕上下地を、 間仕切拾いと関連させて合理的に設定する。
5.仕上単価をできるだけ別参照とせず、 本ファイルの中で選択する。
6.各種詳細設定。 (躯体・鉄骨の概算数量、 杭工事、 外壁・足場の追加調整、 仕上下地・間仕切の調整、 建具詳細拾い、 雑、 外構、 設備)
7.共通仮設 ・ 直接仮設 ・ 現場経費は、建築工事算出完了とともに自動算定。
8.提出金額のシュミレーションと、 提出内訳(部位別形式)の自動作成。 

 
説明目次
0
 システム環境設定
1
 全体構成
2
 工事概要
3
 大概算
4
 ゾーン区分の設定と内部面積
5
 建物数量 (外部面積、 躯体・仮設面積)
6
 壁仕上下地区分と間仕切
7
 建具拾い ・ 硝子拾い
8
 躯体 ・ 仮設 ・ 工期設定
9
 仮設 ・ 躯体単価設定
10
 仕上数量割振と単価設定
11
 建具関連
12
 雑・外構
13
 設備 ・ 昇降機 ・ 解体
14
 共通仮設 ・ 現場経費
15
 総括表 ・ 内訳明細

1.全体構成 
2.工事概要  (目次へ)

 (シート移動 │ プレビュー・セル移動・0表示・値貼付・リボン表示)
  • 指定建築面積』『指定法床面積』 が明記されてない場合、 拾い面積が代用される。
  • 基本数』とは、 たとえば マンション:戸数, 病院:ベッド数, ホテル:客室数。
  • 『隣地境界』『全面道路』を計算式入力。 → (外構囲障・仮囲い・)

3.大概算  ・・・・・ まずは予測を立てる。  (目次へ)
  • 『●標準工事』 :建物費を形成する一般的要素、 基本構成
  • 『○標準外工事』:土地条件、特殊条件による付加項目。

  • 工事毎に坪単価を検討。
     ・『C 躯体』    : 用途、構造、規模(建築面積・床面積・階数・階高)によって概算数量を自動算出。 × 込々単価
     ・『D 仕上』    : 実績坪単価、 あるいは用途ごとの面積×坪単価 (店舗金額+事務所金額+・・・等)、 または基本数単価(たとえば戸当り単価、室予算等)により設定。
     ・『E・F・G 設備』: 用途別、実績坪単価による自動設定。 あるいは、基本数単価による設定。
     ・『J 杭』『K 山止』『L 外構』『O 浄化槽』 の大概算設定。

  • その他  標準外工事、仮設、経費関係を設定。
    ※ この結果は、「総括表」シートにて概算目的を「大概算」とした場合のみメイン表示される。 (精概算では、参考表示を選択)

<精概算>
4.ゾーン区分の設定と 内部面積  (目次へ)
  • ゾーン区分』とは、 類似室用途、同一仕上、同天井高等で グループ化した部屋区分。
  • 仕上げ表記がない場合、 仕上設定の元となる 『室用途』 を中心とした区分方法を考える。
  • ゾーン区分は、全15種。  区分数が不足する場合、
       1.壁仕上げを優先して分類し、 床・天井数量を後で調整する方法。
       2.少量で金額の影響の少ないものを無視、 類似区分に含める。

  • 内部面積拾い によって算出した『床面積』に対し、『吹抜面積』『折上面積』『調整面積』を入力する。 ※ 調整面積とは、指定床面積との誤差調整(必要に応じ)。
           同じく『壁周長』に対し ×『天井高』 ⇒ 『内壁面積』 

  ●【床面積拾い】【壁周長拾い】  (目次へ)

  • 階範囲ゾーン区分室名(区分番号と連係、修正可) 床面積計算式壁周長計算式階毎の室数を入力。(40行×4P=160行)
  • 各室面積は吹抜け面積を減算しない。 ※『基本』シートにて調整。
  • 間仕切建具 (パーティション・スライディングウォール…) により区分された部屋は1室とみなす。

  • 周長計算式を省略した場合、 『α』値((√室面積)×4と実周長との補正値)によって壁周長を概算。 → 【タテヨコ比について】
  • [壁周長計算式] ボタンにより、 床計算式から周長計算式に参考変換。 上図※説1
  • 拾い終了後、 [集計] ボタンにより全集計。(修正時の強制集計有り) 下図【面積表】を確認。


5.建物数量(外部各面積)と 各種床面積  (目次へ)
  • 『基本』シートにて、 部位名 ・ 立上高さ ・ 外壁仕上を設定。
  • 『最大床面積』 :指定建築面積未入力の場合に、 建築面積に代用。(躯体グリット算定、鉄骨工期算定、他に利用)
  • 『基礎面積』 = 1階内部面積 + ピロティ面積 − 地下1階面積  (未拾いの場合は、指定建築面積 ⇒ 基礎面積)
  • 『施工面積』 = 拾い室面積 + ピロティ + バルコニー・ローカ + 外部階段
  • 『躯体面積』『仮設面積』は、以下より選択。
    1. 法床面積
    2. 法床面積 + ピロティ
    3. 内部面積(=拾い面積)
    4. 内部面積 + ピロティ
    5. 内部面積 + ピロティ + ローカ・バルコニー・外部階段
  • 『鉄骨掛面積』 = 『躯体面積』
  • 『デッキ面積』 = 『2階以上床面積』 + 防水屋根
  • 『外構面積』  = 対象敷地面積 − 1階面積 − ピロティ − 外部土間
  ●外部数量拾い  (目次へ)
  • 建物周長とは、 内部と外部の境界線。 但し、ピロティを内部拾いとした場合は、その周囲。
  • 建物周長 × 階高 = 外壁面積、 (建物周長+8)× 階高 = 足場面積
  • 端部1,端部2および手摺は、長さを入力。 端部1×Hにより面積を算出
  • 外壁(足場) 追加・調整
    1. 内外境界以外の外壁(足場)を追加拾いする。  (ピロティ壁・柱、内バルコニー等)
    2. 外壁全体面積に対し、その他壁面積を調整する。

  • 入力後、 [集計] ボタンにより全集計。 下図【数量表】を確認。
  • 躯体面積 と 歩掛りにより、 RC躯体工期を算定。 (下図右端)


6.壁仕上下地区分 と 間仕切  (目次へ)
  • 仕上下地』『間仕切』 の計算手順
      1. 内部面積拾い より算出された 壁周長計に対し、外接周長。     ⇒ 全壁周長−外接壁長 = 内壁長
      2. 間仕切拾い で算出した各種 間仕切長×2(両面長)を、 壁長から。 ⇒ 内壁長−各種間仕切長×2 = 基準下地長
      3. 残った数量がLGS下地長(仮)、 この1/2LGS間仕切長。   ⇒ 基準下地長/2 = 基準間仕切長
      4. これらの長さに対し、 ×平均天井高=仕上下地面積、 ×平均壁高=間仕切面積 となる。(間仕切高さを天井高さとする場合、 間仕切長を参考に別途調整。 後述)

     ※ 但し、 ここで算出した数量だけでは仕上下地は決定されない。
       たとえばRC面について考えると、 タイル張下地モルタル、 塗装下打放補修、 クロス下PB貼GLなど、 最終的に仕上数量により調整することになる。 →【後述】


  ●間仕切拾い

※より精度を高めるには、 平均天井高、平均階高に対する調整が必要。
  ・ 間仕切面積は、 たとえば勾配屋根の平均階高に対し間仕切位置が偏る場合、 部分的に階高が異なる場合に調整が必要。
  ・ 仕上下地面積は、 たとえば天井の低い便所の壁は多めの数量になっている。 天井高に大きな差があり、かつ仕上下地が異なる場合、調整が必要となる。

7.建具拾い・硝子拾い  (目次へ)
  • 建具金額の算出には、一般的に、次の2つの方法がある。 (1.精度優先、 2.時間優先)
      1. 仮建具表を作成し業者見積を徴集する方法。
      2. 材種別に面積を算出し、類似物件(同仕様・同グレード)の面積単価により金額を算出する方法。

  • 以下は、2番目の方法について
    外部建具」 「内部建具」ごとに、 建具リストを作成、 面積と単価、 外壁・内壁・間仕切控除、 トロ詰・コーキング・枠、 硝子等を同時に設定する。
           外部建具 : アルミ ・スチール ・ステンレス ・シャッター ・カーテンウォール。
           内部建具 : アルミ ・スチール ・ステンレス ・シャッター ・間仕切建具(パーティション・トイレブース・スライディングウォール)・木建


  ●外部建具

         ・ 建具以外の開口は、「Open」を選択し、壁面積を減。
         ・ 硝子の「」は、硝子止めシールを算出。
         ・ 黄枠は、リスト化せずに 材種別面積、 トロ詰、 コーキングを計算式入力する。 (より簡便な方法)
         ・ [集計] ボタンにより全集計。 (内容修正がある場合に強制集計)

8.躯体・工期設定   (目次へ)
  • 4種の躯体算出方法。   ※No2を推奨
    1. 類似物件の歩掛り」(構造・用途ごと)を参考に数量設定。  ・・・・・ 歩掛りの信頼性と、 バラツキの中の判定力。
    2. 意匠等により断面を想定し、簡易数量算出。  「簡易拾い」(下図右下より) ⇒  上階]・[鉄骨]・[基礎
    3. 断面仮定し、構造的に実数を算出する。    「躯体.xlsm」(別ファイル) ⇒  躯体概算 床面積、階数、階高等関連数値の自動転用。
    4. 他構造躯体ソフトの歩掛り参考。

    基礎  FLGL、 梁天GL、 基礎底梁底、 基礎底H、 杭支持底深さ、 ピット面積、 柱本数を設定。
    工期  準備・杭、 基礎・地下工事、 躯体・鉄骨工事、 仕上・外構工事を設定し 全体工期を算定する。

    躯体歩掛り  (床面積等修正後も歩掛りによる連動修正)
    1. 歩掛り基準値は、 構造・用途・規模による統計値を 自動設定するが、 あくまでも平均値であり、建物に応じた見直し、修正が必要。
      (RC・SRC 基礎歩掛り値は必要に応じ入力。  ただし全体歩掛りは同じ)
    2. 土工事数量は、 対象面積×H(t)に対し、『調整率』『地業率』により算定。   ・・・・・ 根切 =(基礎面積+周囲1m)× 深さ × 根切率
    3. 残土、埋戻しは、選択仕様に連動する。  たとえば、残土:場外処分 + 埋戻し:購入土 ⇒ 残土=根切全数量
    4. 簡易拾い」も参考に、工種ごとに歩掛り設定。  ※ 参考データ関連無しに注意
    5. 一般土間と土間スラブの分類に注意。

    簡易拾い  RC上階: 柱・大梁の参考断面、鉄筋重量の仮定


      鉄骨: 柱・大梁の参考断面


      基礎: 上階荷重による基礎断面・地業工法参考、 土工事の同時算定

9.仮設・躯体単価設定 ・・・・・ ここでは単価設定が主となる。   (目次へ)
  • 直接仮設 右欄外に詳細設定。
  • 地業工事 ・ 山止工事は、 業者見積金額が優先される。
  • 地業工事は、 tm(建物総重量×杭長)×tm単価 による方法を採用。  ※単価参考: 場所打杭の簡易算定、 既製杭の統計算定(RC低中層・S造)
  • コンクリート打設費の参考人工計算。  ポンプ車基本数による回数計算。
  • 型枠スリット、 目地の面積単価算定。
  • 基礎鉄筋架台の t単価加算。

10.仕上数量割振り と 単価設定  (目次へ)
  • 外部・内部の [部位数量][ゾーン数量]を、 仕上数量に割振る

    ・ 『割振る』とは、 ゾーン面積を、用意された仕上行に配置する作業のことであり、 複数ゾーン同一仕上の場合は合計値となる。 (たとえば"=C47+C48+C49+C52")
      また、 部分的に仕上が違う部屋を同グループとした場合など、 必要に応じ数量調整する。 
    ・ 設定枠に ゾーン記号 ・増減数量を記入し、 割振りを記録する。  (下図残照) → 内訳作成での備考表示
    ・ 材料@ABは、 @主材料、AB下地材料に利用。 但しABを仕様枠としても良い(メーカー、品名等)単価無し。



  • 内部 壁下地の割振りは、仕上数量を参考に最終調整する。
  • 廻縁・巾木は、 内部拾い壁周長(右表示)を利用する。 但し建具を非控除。
  • 基準間仕切(LGS)の 階別長さ(右表示)を参考に間仕切高さの修正が可能。→ !? 天井裏には開口無し


  • 外部では、大掴み数量に対して役物等を考慮した調整単価が必要となる。 (タイル役物 ・ 金属屋根水切類 等) ※ 別途加算しても良い。
  • 外部その他 「外部階段」では、 項目の煩雑さを軽減するために仕上構成の類似する バルコニー単価を調整する簡便法

  • あくまでも概算としての数量算出であるため、 数量設定の正確さにはこだわらず、ある程度の勘処理となる。
  • シート右欄外に仕上名称とサンプル単価を準備、整備する。
  • 白抜き部は総括表表示。

11.建具関連  (目次へ)
  • 外部建具』『内部建具』 シートでの面積と、平均単価が表示される。
  • 業者見積を徴集した場合は、ここでの単価修正でも良い。

  • 建具仕上(塗装・内装…)は、単価×面積係数により算出する。
  • 開口廻り数量に対し、必要に応じ額縁・建具枠等の金額を設定する。


12.雑・外構  (目次へ)
  • 雑に含まれる内容は、雑金物 ・ 造作類 ・ 家具ユニット ・ サイン類 ・ 厨房器機等であるが、 概算の段階ではこの部分が一番不明確になりやすい。
    未完成な図面から拾い出すよりも 類似物件を参考に面積単価としたほうが かえって正確な場合もある。

  • ただし、別紙明細にて算出した金額を面積単価とすることも可能。  ⇒ 雑金物別紙 外構別紙


13.設備・昇降機・解体  (目次へ)
  • 用途別、設備科目別の坪単価、 あるいは基本数単価を整備する。


14.共通仮設・現場経費  (目次へ)
  • 必要数量については、ここまでの過程でほぼ準備される。 単価設定と最終調整。


「公共建築工事共通費」 算出例を参考表示。   <公共建築工事共通費積算基準> <公共建築工事積算基準等資料
 ・共通仮設は、率対象と対象外を色分け、対象範囲での比較。
 ・設備工事等の現場経費は発注先経費との関係に注意。

15.総括表 と 内訳作成  (目次へ)
  • その他工事[青枠]や概算内容、その他を確認、 経費率・設計率の設定、 備考、 別途工事・見積条件を整理し、 『概算総括表』(試算書)を完成させる。
  • 法坪単価と施工坪単価の切替可能。 [大概算の表示・非表示] [標準工事計の表示・非表示]の選択。




    試算内訳書の作成
       「提出金額」決定後、[内訳設定]ボタン ⇒ 内訳調整シート(下図)工事項目名確認 ・ 調整率設定 (諸経費率の確認)後、 [内訳作成] ⇒ 試算内訳書
        ※提出金額の訂正は、 経費率・設計率によって原価率が変化することに注意
    ●内訳調整シート  (目次へ)
    
         ※ 内訳構成 : 大内訳、 中内訳(建築・外構・電気・給排水・空調)、 建築工事の部位明細、 雑・外構・建具参考明細

     【以 上】       goto myhomepage  ksekisan